飛行にはリスクがつきものです。上昇したら、必ず下降しなければなりません。飛行とドローンの安全に関して言えば、本当に重要なことはドローンの下降の仕方です。DJIは飛行のこの本質的な側面を十分に理解しており、当社が製造するあらゆるドローンには、安全性を最大限高めるための様々な機能を搭載し、毎回意図した通りに着陸させられるよう努めています。
DJIの最新の業務用プラットフォームであるMatrice 300 RTK(M300 RTK)はドローン安全基準を塗り替える一連の安全機能を装備しています。
安全第一の歴史
DJIにはドローンの安全の先駆者となった長い歴史があります。規制当局と政府機関が安全要件を確立するより遥か前に、DJIは安全の最大化と、危険の最小化のための技術とソリューションを導入しました。
DJIは他のメーカーに厳しい基準を課すことはできませんが、少なくとも当社が製造・販売する全てのドローンに、空の安全を守るために必要な安全機能が搭載されていることを保証しています。企業と公共安全団体が人命救助、食糧の供給、ビジネス継続の事業のために展開しているドローンの数が増え続けているため、安全という観点は非常に重要となっています。
DJI最新の業務用プラットフォームとしてのM300 RTKは、上記の安全機能全てを備えているだけではありません。ここでは、M300 RTKがドローンの業界安全基準を塗り替える理由をご紹介します。
冗長化システム
安全性と信頼性はM300 RTK開発時の2つの大きな柱でした。安全性をさらに高めるため、このプラットフォームには重要な12のフライトコンポーネントのバックアップを搭載し、万が一ハードウェアが故障した場合でも、バックアップモジュールが作動して安全に帰還することができます。その代表例が、M300 RTKのデュアルバッテリー構成です。片方のバッテリーが故障しても、もう1つのバッテリーがドローンを安全に着陸させるための電力を供給できます。冗長化された安全設計の例は、バッテリーだけではありません。M300 RTKには予備のIMU、気圧計、コンパスを装備し、それぞれの主装置が故障した時に作動します。同様にM300 RTKの主回路基板には、バックアップ電源とバックアップ通信リンクが配線されており、信頼性が強化されています。
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性能と安全性のための機体デザイン
M300 RTKの下向きプロペラは、単なる外観上の特徴ではありません。この機体の本体、つまり機体の重心がプロペラ面の上方にあることにより、M300 RTKはかつてない敏捷性と操縦性を誇ります。安全面では、サードパーティ製の緊急用パラシュートを装備した場合でも、プロペラに切られることなくパラシュートを展開でき、最悪の緊急時ソリューションとしての信頼性をさらに高めています。
次世代の衝突回避
下向きプロペラのもう1つの利点は、M300 RTKの障害物回避センサーを遮ることなく、明瞭な視野角を確保できることです。6つの全方向デュアルビジョンセンサーと、デュアルTime-of-Flightセンサーを備えたM300 RTKは、DJIの産業用プラットフォームとしては初めて、全方向の衝突回避機能を備えた機体です。検知範囲は最大45 m、センサーの挙動はDJI Pilotアプリでカスタマイズできます。近日発売のCMSレーダーアタッチメントを装備することで、M300 RTKは360°の障害物回避機能を有することになります。
衝突防止ビーコン
視界不良はあらゆることを複雑にします。しかし、曇りや濃霧などの悪天候、あるいは夜間のような悪条件でも飛行せざるを得ない場合があります。幸いなことに、M300 RTKには弱光条件で自動的に点灯する上下の補助ライトが装備されています。これらのライトは搭載されている衝突回避センサーの補助となり、視界の悪い条件でもドローンとその周辺を保護するのに役立ちます。また、M300 RTKの最上部には衝突防止ビーコンを搭載しており、空域にいるパイロットや関係者にドローンの位置が目立つようにします。
OcuSync Enterpriseへのアップグレード
OcuSync 2.0のアップグレード版であるOcuSync Enterpriseにより、パイロットはドローンとペイロードにこれまでで最も長距離で、最も応答性の優れた接続を得ることができます。OcuSync Enterpriseは、3チャンネルで最大伝送距離15 km(日本国内は最大8km)の1080P 30fpsの動画伝送を実現し、パイロットは送信機に表示される情報が正常かつ安定していることを認識し、安心することができます。AES-256による暗号化により、高干渉環境での飛行時においても、安全で信頼性の高いデータ伝送が可能です。
プライマリーフライトディスプレイ
M300 RTKは、民間航空基準からヒントを得た新しいフライトディスプレイシステムが採用されています。プライマリーフライトディスプレイ(PFD)により、M300 RTKのパイロットはリアルタイムのフライト情報やナビゲーション情報に簡単にアクセスすることができます。高度や速度などのテレメトリデータ、周辺の障害物を表示する障害物マップに加え、PFDは必要不可欠な情報に直感的かつ機能的にアクセスでき、パイロットは高度な状況認識機能を簡単に利用できます。
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高度なデュアル制御モード
高度なデュアル制御モードでは、刷新されたマルチパイロットコントロールプロトコルにより、安全性と柔軟性が強化された任務遂行が可能となります。M300 RTKを2人で操縦する場合、各パイロットは同等のフライトコントロール優先権にアクセスでき、優先権の移動はDJIスマート送信機エンタープライズの一連のアイコンで表示されます。もし一方のパイロットに問題が発生したり、送信機のバッテリーや接続が切れたりしても、もう片方のパイロットがM300 RTKとそのペイロードの全ての操縦権を得ます。高度なデュアル制御モードは、長距離任務を遂行する際において、パイロットにさらなる柔軟性と信頼性、安全性を提供します。また、新しいパイロットの訓練では、教官は必要に応じてフライトコントロールを安全に引き継ぐことができます。
保守のための新しい飛行記録とサービス
近年ドローンの使用が爆発的に増えていますが、ドローンフリートの運用、保守、保有に関する疑問が残されたままになっていました。M300 RTKは、このような疑問を解決するために開発され、UAV健康管理システムを提供することで使用状況やハードウェアの状態を正確に記録し、メンテナンスが必要になった場合は、運用者に通知します。
また、DJIは新しい保守サービスを導入しており、お客様はこうしたデータを活用して、M300 RTKをより長く使用することができます。このサービスについての詳細はこちらをクリックしてください。
安心と安全の飛行
M300 RTKに対する設計上のあらゆる選択が、安全に対するDJIのさらなる取り組みを反映しています。商用ドローンのどのプラットフォームよりも、M300 RTKは信頼性基準を塗り替えるものであり、私たちはより安全な世界で生活し、働くことができます。
M300 RTKに関する詳細は、下の画像をクリックしてください。