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「DJI Dock 2」を活用し、 能登半島で道路工事の作業効率化を推進

熊を取り巻く環境について

By DJI Enterprise DJI Enterprise
3月 14, 2025

  東京都に本社を置く大林組とKDDIスマートドローンは、遠隔操作が可能な「DJI Dock 2」を活用し、工事現場の自動撮影や測量計算の自動化を実現することで、業務の効率化を図った。今回は両社が実施した、この取り組み、について、現場に同行しお話を伺った。

道路が崩落・分断した状況が続いている

 石川県の能登半島の道路では、202411日に発生した能登半島地震からの啓開工事が続く。啓開工事とは被災した道路に、瓦礫などの撤去や段差の修正といった必要最低限の補修を施し、緊急車両などを通行可能にする作業だ。工事の日々の作業進捗状況を確認するため、両社は「DJI Dock 2」を利用し、ドローンの自動運航を活用している。石川県七尾市が起点の国道249号は、輪島市と珠洲市を結ぶ重要な道路でもあるが地震で大きな被害を受け、2つの市の間では、現在8箇所ほどで啓開工事が行われている。

 

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金沢市から能登半島方面へ向かう「のと里山海道」はいまだ啓開・復旧工事が続く。工事箇所を

迂回しながら進むため、加賀山橋ジャンクション以降は最高速度が40km/hに抑えられている

 

高精度な土量の計算が可能に

 工事現場では、「DJI Dock 2」 を2024911日の運用開始。月~金曜日まで11回、定時に離陸した専用ドローン「Matrice 3D」は、高さ120m程度の上空を、1015分かけて飛行。7500万平方メートル=7500ヘクタール、東京ドーム約1,600個分ほどの広さのある現場の上空に設定された航路上で、400枚ほどの写真を自動で撮影。また、週1度、定点観測として上空からパノラマ360°撮影を行い、復旧状況を視覚的に捉えるための資料作りに役立てている。具体的には、現場の土量について、従来ダンプカーが運んだ回数と積載量の掛け合せで計算し、実際に運んだ土量とズレが生じていた。が、ドローンの撮影により、1日に山から切り出された土の量(土量)を、当日と前日の土量データを比較し差を算出、高精度な土量の計算が可能になった。

 

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    正確に土量を計算することは工期をコントロールするうえでとても重要で、ドローンの使用でそれが可能になっています。ドローンにはとても価値ある働きをしてもらっています。と橋本氏。

 

東京のオフィスから、遠隔で作業を管理

 運用にあたり、KDDIスマートドローンのスタッフは、東京のオフィスから遠隔管理している。飛行の際に、気象状況はDJI Dock 2の気象センサーデータ、および大林組の現場常駐スタッフによる気象状況報告をもとに飛行可否を判断。機体点検はDJI Dock 2のカメラでチェックし、Matrice 3Dが発信する各テレメトリー情報とあわせて確認。問題なければ飛行する段取りを踏む。また、DJI Dock 2IP55Matrice 3DIP54相当の防塵性・防水性に対応し、厳しい天候や環境下でも、安定した運用を実現する。

 なお、今回の取り組みは、ドローンを肉眼で目視せず遠隔で管理するため、この飛行は目視外飛行にあたる。通常であれば機体を監視する補助者の設置が求められるが、工事現場という第三者の立ち入りを管理した場所のなかで飛行を完結させているため、省略可能となっている。

現場管理業務を80%削減できることを確認

 大林組としても、普段の業務に加えてドローンの監視も求められると作業効率が下がるため、無人運用できる体制は歓迎している。映像やデータを活用し、スタッフを常駐させず、毎日ドローン飛行できる体制を整えられる。また、ドローンでしか収集できないデータを得られることもメリットと言えそうだ。メンテナンスに関しては、フリーで使用することはできないため、折を見てKDDIスマートドローンスタッフが現場を訪れポートや機体をチェックするサポート体制だ。また、KDDIスマートドローンによれば、2022年に自動充電ができるドローンポートとドローンを使った検証事業を実施し、現場管理業務を80%削減できることを確認している。今回の工事現場における作業でも同程度の作業効率化ができるそうだ。

 

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    Matrice 3Dの光学カメラは、広角35mm判換算で24mm相当。4/3型CMOSセンサーを備え、有効画素数20メガピクセル。望遠カメラは1/2インチCMOSセンサーで有効画素数は12メガピクセル。35mm判換算で162mm相当のレンズとなっている。なお、赤外線カメラを搭載したMatrice 3TDもラインナップしている。

運用には電源とインターネット回線が不可欠

 運用には電源とインターネット回線が不可欠だ。現場では、展望台にも電源が引き込まれており、そこから給電している。インターネット回線は低軌道衛星通信・STARLINKを導入し、展望台下にアンテナを設置。安定した通信環境が整えられている。また、展望台の上部には監視カメラが取り付けられている。(もともと展望台の状況チェック用だが、DJI Dock 2設置後は、飛行前の、周囲に障害物確認するためにも使用されるようになった)

豪雨の前後で増減した土砂から具体的な流出量

 地震による被害に追い打ちをかけるように発生した能登豪雨は、今回取材した工事現場でも盛り土が流出するなどの被害を与えている。だがMatrice 3Dで流出箇所を測量し、雨が降る前後で増減した土砂から具体的な流出量が算出できた。

 

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自治体とドローンポートを活用した災害対応で、提携することも求められるかもしれない

 山崎氏は、「ドローンポートは災害時の状況確認の手段として自治体からも関心をいただいています。しかし、災害時のためだけにドローンポートを置いておくのはコスパが悪い、今回は日常的にドローンポートを活用していたからこそ実現できた運用だったと思います」と述べている。

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    今後も、このようなドローンポートを活用した業務効率化の方法が期待される。

 

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Tags: その他, 公共安全

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