栃木県に本社を置く、株式会社 安田測量(以下、安田測量)は、ドローンを使った測量業務を中心に、各種調査業務・解析業務等の公共事業に関するサービスを提供している。今回は同社が実施した、集中豪雨の影響で発生した、土石流の災害調査における現場に同行し、お話を伺った。
災害現場は、高低差と険しい地形
安田測量は、測量業務を中心に各種調査・分析解析等の他、公的機関からの業務を数多く受注している。今回の現場は高低差300m の険しい地形である上に、発災直後で二次被害の可能性が非常に高い状況で、住宅が近接し、安全に配慮する必要があったという。
「安田測量は、地域のインフラ整備や災害対応 社会資本整備の推進にも貢献している」
同社 代表取締役の安田輝昭氏( 以下安田氏)は、以下のように語る。「今回依頼された土石流災害現場の測量は現場に高低差があり、険しい地形で二次被害の可能性が非常に高い状況でした」 「そのため、災害の状況や地形等から、今回の測量ではドローンを使うのが一番効率的だと判断しました」
「災害の状況や地形から、測量業務にはドローンを使うことが一番効率的だと判断した」と安田氏。
被害状況の確認し飛行計画を作成
同社では、測量の依頼の際は、まず、被害状況の確認を行い 次に測量計画を作成する。その後 現地で測量作業を実施し、データを取得・解析し図面や報告書を作成し納品している。今回も、このプロセスに沿って進めた。まず、現地に行き 災害の状況や地形を確認し、どのエリアを優先して測量するか、どのようなデータが必要か、関係者と共有し、飛行計画を立案した。
「現場に行き、災害状況しデータを取得し関係者と協議して飛行計画を作成する」
地形フォロー機能を活用
DJI Mavic 3 Enterprise シリーズを使い、全体像を迅速かつ効率的に把握した。その際、地形フォロー機能を活用し、安全かつ迅速に計測を実施した。そして、得られたデータからDSM モデルを作成し、詳細測量のための飛行ルートの計画を作成した。
「地形フォロー機能の使用時の様子。使用時の様子」
Zenmuse L2で高精度データを取得
同社ドローン操縦士の山崎氏は以下のように述べている。「高低差が300m もある厳しい地形条件でも、地形フォロー計測機能を活用することで、一度の飛行で必要なデータを収集することができ、作業効率と計測精度が大幅に向上しました」
「限定された期間でもZenmuse L2、DJI Mavic 3 Enterprise シリーズを活用し、効率的な測量成果を上げられた」
DJI Terraで地形データを生成
DJI Terra は、Zenmuse L2 で取得したLiDAR データや画像データを統合するためのソフトウェアで、二次被害の防止に役立つ高精度な地形データの生成が可能だ。取得したデータから、高低差の大きいところや土石流の危険性を示すデータを抽出することも出来る。
「高低差の大きいところや、土石流の危険性を示すデータを迅速に抽出することが出来る」
DJI Modifyで正確な形状を復元
DJI Modify を使用し、木や建物などの障害物をフィルタリングし、地表の正確な形状を復元する作業も簡単に行える。このことについて、同社の安田氏は「高低差300mと条件と限られた工期の中、Zenmuse L2 およびMavic 3 Enterprise シリーズを活用することで、従来以上に正確かつ効率的な測量成果を提供できました」 「特にZenmuse L2 は、植生が密集した環境でも、高精度 高密度なグラウンドデータの取得が可能で、DJITerra・DJI Modify による高度なデータ処理は、業務効率を大きく向上させました」と述べている。
「木や建物などの障害物をフィルタリングし、地表の正確な形状の復元も可能だ」
災害復旧の迅速化と効率化に寄与
最後に安田氏は、以下のように述べています。「近年では ドローンを活用した測量技術を導入することで、これまで以上に、迅速かつ精度の高いサービスを提供できるようになりました」 「今後も最新技術を積極的に導入し、お客様のご期待に応えるだけでなく、災害復旧における迅速化と効率化にも寄与してまいります」