ICTでブランドイメージを一新

経験豊かな男性中心の現場で若手スタッフや女性パイロットが活躍する

By DJI Enterprise DJI Enterprise
11月 13, 2020

地元密着型の建設コンサルタントして活動してきた新星コンサルタントでは、撮影のほか、測量・調査などにドローンを利用しています。「とにかく使ってみよう」と導入したドローンが、今や自社のブランドイメージを築く重要なツールとなっていました。

「やるしかない」という気持ちで空撮用にドローンを導入

新星コンサルタントは、建設コンサルティングを中心に、測量・調査など、公共事業と民間事業の両方を請け負っている。ICTの活用にも積極的で、その一環としてドローンを使った事業展開も行っている。ドローンの導入は2015年。きっかけとなったのは、長年手がけていた鬼怒川の公共事業だった。導入時のお話を、同社の中島英敬 専務取締役に伺った。


「40㎞ほどの区間を管理していて、以前は堤防から撮影して状況を記録していました。それを空撮してモニタリングできないかと考えたのが最初です。まだ業務へのドローン導入事例が少なかったのですが、近隣の大学からDJI社のPhantom 2を借りてきて空撮し、写真を報告書に添えたら『現場が見やすくていいね』と言われたんです。業務に付加価値が生まれるのであれば、やるべきだと考えました」(中島)

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ドローンチームを率いる中島英敬 専務取締役。業務の付加価値になるのであれば、どんな小さな用途でも積極的にドローンを導入していったという。

その後、すぐにPhantom 2を購入。実は以前、何かに使えないかと空撮用のラジコンヘリを試しに飛ばしたことがあったのだが、それに比べると操作が圧倒的に簡単だったことも導入の大きな理由だった。ドローン導入を担当した営業企画部の和具麻里子さんは、新しいことに挑戦する社内の雰囲気も後押しとなったと感じたそうだ。


「当社にはもともと、新技術などの新しいものは試してみるという気風があったんです。ドローンを検討した際にも『まずは1台買って、試してみよう』と、自然にそういう流れになりました。建築・土木業界がICT導入に進むこともはっきりしていたので、反対意見はなく、やるしかない、という雰囲気でした」(和具)

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ドローン導入を牽引した営業企画部の和具麻里子さん。新しい技術はどんどん取り入れていくという社内の気風が、導入の後押しになったそうだ。

 

チャンスがあれば積極的にドローンを使っていく

地元の鬼怒川の現場撮影で運用し始めたドローンだが、次の活躍の場はいきなり海外での調査となった。


「キリバス共和国という太平洋上の島国で、温暖化による海面上昇で国土の水没が問題になっている場所です。長さ2kmほどの道路の護岸と補修のための技術協力が目的でした」(中島)


簡単に足を運べる現場ではないため、帰国したあとになって確認が必要なことが出てきても、再調査というわけにはいかない。


「そこで、現場をすべて記録して持って帰ってくるというアイデアを思い付きました。ドローンで調査区間内の状況を空撮し、すべてをデータとして日本に持って帰れば、あとから確認したいことが出てきたときにも対応できると考えたんです」(和具)。


海外でドローンを運用するとなると、ハードルは相当に高い。そんな業務にも挑戦しようとしたのは、同社が「チャンスがあればドローンを使う」という姿勢で事業展開していたからだ。少しでも可能性がある業務には、積極的にドローンを導入していった。


「ドローンの使用が特に必要ないと思われる現場でも、例えば現場写真を撮影するだけでもいいので、業務の付加価値となるのであれば飛ばすという具合です。そのおかげで、導入はかなりのスピードで進みました」(中島)


現在はPhantomシリーズやInspire 2など、合計8機の機体を所有し、モニタリングから三次元点群データの作成まで多くの業務で広くドローンを運用している。発注元からもドローンでの業務を想定した依頼が来ることも多い。しかし、導入してからしばらくは、依頼も少なく、ドローンを使用した業務に対して特に大きな反応が返ってこないこともあったそうだ。


「ドローンを使った業務の成果は、お客様にとって必ずしも分かりやすいものだけではありません。そのメリットがダイレクトに伝わるケースもありますが、『ドローンを使ってよかった』と感じてもらうまでにタイムラグがあることが多いのです。評価に時間がかかったとしても、さまざまな業務で積極的に運用したことで業界内で少しずつ評判が上がり、今の評価につながってきたと思います」(和具)

 

女性パイロットが活躍しブランドイメージも一新

新星コンサルタントでは現在、女性4名、男性2名がドローンチームに所属している。導入直後からパイロットを務める高橋里佳さんも、そのひとり。同社に就職してその年に、ドローンの操縦に挑戦することになったそうだ。


「ドローンの操作は、もちろんそのときが初めてでした。遊びでラジコンを動かしたことはあったので、送信機を使って操縦することには抵抗はなかったですね。最初はおっかなびっくりだったのですが、すぐに慣れました。ただ、そうやって練習を始めたときに、いきなり災害現場で空撮をすることになったんです」(高橋)

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新星コンサルタントでは4名の女性パイロットも活躍している。そんな中のひとり、高橋里佳さんと愛機のInspire 2。最初の現場は、鬼怒川の氾濫による災害現場だった。

2015年9月、関東地方の豪雨により鬼怒川が決壊、大きな災害となった。新星コンサルタントでは自治体に協力し、災害現場の空撮を行ったが、そのときドローンを操縦できるのは高橋さんしかいなかった。災害現場での撮影を通して、高橋さんは、現場におけるドローン運用の大きなメリットを感じたという。


「特に災害現場は、何が起きるか分かりません。災害現場の撮影では不安定な現場を移動しながら行う必要があり、常に危険が伴います。ドローンの場合は、現場から離れた場所で安全な足場をきちんと確保した上で、そこから移動することなく撮影ができます。一般的な土木の現場においても、これは作業員の安心・安全のためのとても大きなメリットだと感じます」(高橋)

DJI Inspire 2

現在も管理を行う鬼怒川でのフライトの様子。飛行前点検をはじめとする安全管理については、社内でマニュアル化されており、遵守を心がけている。

中島さんによれば、ドローン運用に関しては、これまで男性が中心だった建築や土木の現場で若い女性が活躍できるという点も重視しているそうだ。


「これまでは経験豊かな男性がほとんどでしたが、女性や若手スタッフがいっしょに活躍できる現場を目指すという意味でもドローンは有効なツールだと考えています。現在は、女性エンジニアにはドローンの操縦から入ってもらい、体制も強化しています。パイロットを目指す場合には、まずDJI CAMPスペシャリストを目指して練習や勉強し、取得後は、社内で制作したルールブックに従ってスキルアップしていきます。基本的には、すべて社内で教育しています」(中島)


ドローンを使い始めて5年が過ぎた。コスト削減や安全対策、業務への付加価値など、ICT導入による多くのメリットがあったが、それ以上の大きな変化もあった。


「地域に密着した総合建設コンサルタントとして長年やってきて、今もそれは変わらないのですが、『新星さんといえばドローンだよね』と言ってもらえるようになったことは、とても大きな変化だと思います。建築・土木業界におけるICT導入にもさまざまな方法がありますが、新星コンサルトの新しいブランドイメージを短期間で創り出すことができたのは、ドローン導入が大きかったと感じています」(和具)

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Tags: 土木・測量

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