業務を守る安心の保証サービス

保護プラン「DJI Enterprise Shield」が操縦者のパフォーマンスを引き出す

By DJI Enterprise DJI Enterprise
8月 1, 2020

田上重機開発の代表である森田潤一郎さんは、日本の業務用ドローンの可能性を探り続けてきた先駆者のひとりです。大規模工場のインフラ点検では高価な機材を使用するため、業務向け事故保証サービスであるDJI Enterprise Shieldを活用。その成果について伺いました。

ドローン業務に必須の保険には「守り」以外に「攻め」の理由もある

田上重機開発は、千葉県木更津市を拠点として、土木工事を中心に業務を請け負っている。ドローンの運用は、代表取締役である森田潤一郎さんが中心となって取り仕切る。同社では、近隣の製鉄所に依頼された特殊な用途にもドローンを使用している。

「製鉄所の精錬の過程で、道路の路盤材などに使われるスラグという副産物が大量に出ます。広大なヤードに野積みされたスラグの温度の調査を、XT2を搭載したドローンで行っています」

この作業では、サーマルセンサーを搭載したカメラ、DJI Zenmuse XT2を使用している。対象物の温度を計測できる業務用カメラだ。XT2の導入に際して同社では、DJIの業務用機材の事故保証サービス「Enterprise Shield Plus」に加入した。通常の機体保険でカバーできるのはドローン本体までで、付属品には適用できないことが理由だ。導入理由として重視したのは、機材の故障や不具合が起きた場合に代替機が用意される点。ストップタイムを作ることなく、業務を継続できる。

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サーマルカメラDJI Zenmuse XT2を搭載した、DJI Matrice 210。高価な機材となるため、業務用機材の事故保証サービス「Enterprise Shield Plus」に加入して運用している。

「また、発注者の不安を減らす目的もあります。発注元はドローンに詳しい方ばかりではないので、例えば、カメラの調子がおかしいので延期したいという話が出たら、『そんなふうに壊れるものを飛ばして大丈夫なのか』という誤解につながりかねません」

さらに、もうひとつ重要な役目がある。まだ経験が少ないパイロットの場合、200万円、300万円といった高価な機材を搭載して飛ばすことがプレッシャーになることがある。

「高価な機材を扱うことで、普段どおりのフライトができないこともあります。安全に飛ばさなくてはならないのは当然ですが、『万が一何かあっても保険でカバーされるから大丈夫!』とひと声かけることで、パイロットの表情や飛ばし方がだいぶ変わってくるんですね。何かあったときの保証も大切ですが、一番の理由は、業務に関わる社員に安心感を与え、パフォーマンスを上げることだと思っています」

田上重機開発には現在、森田さん以外に4名のドローン専従パイロットがいる。現場には森田さんも赴き、指導しながら、スキルアップを図っている最中だということだ。

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ドローンを飛ばす現場には森田さんも必ず赴き、指導をしながらパイロットのフライトをサポートしている。

最初のステップは工事の完成写真の空撮から

森田さんのドローン歴はかなり長い。最初に入手したのはDJI S900だった。2014年に発売された大型機だ。

「実は、お客様から『ドローンを使って何かやりたい』という依頼があったんですね。漠然としたお話ではあったのですが、まずは評価する必要があったので、とりあえずS900を購入したんです。ラジコンの知識すらなかったので、いろいろと苦労しながら検証していったのですが、そのときにドローンの基礎的な知識を身に付けられたと思います。その後のInspire 1では、使い勝手が劇的に良くなっていました」

当時は、基本的に動画と静止画の撮影に使用していたが、そのうちに土木業においても国土交通省が提唱するICT活用の指針であるi-Constructionが推進されるようになる。

「i-Constructionが謳われるようになって、ドローンと土木が明確に結び付いたわけです。そこからは、工事の前と後に行う写真測量にドローンを活用するようになりました。また、製鉄所内の工場の屋根や煙突といった設備点検を依頼されていて、それをドローンを使って行うようになりました」

田上重機開発ではその後、Phantom 4のほか、Inspire 2、Matrice 600、Mavicシリーズ、Matrice 210と、新機種が登場するたびに次々と導入していった。

「ドローンは日進月歩のジャンルです。新しい技術が搭載されると、特に用途が決まっていなくても使ってみて、自分もアップデートしていかなければならないと考えました」

最近では、2020年5月に発表されたDJI社製の業務用ドローン、Matrice 300 RTKも導入、この機体にもEnterprise Shieldを適用した。産業用ドローンの決定版としての機能と、拡張性に期待しているそうだ。

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発表後、早々に購入したMatrice 300 RTK。新しい技術が投入された機材は、積極的に導入している。現在は実働に向けて準備中とのこと。

一度ドローンを使えば次も必ずドローンでの依頼が来る

業界内ではドローンをはじめとするICTの導入がどんどん進んでいるが、そのことに気が付いていない同業者も多いと、森田さんは言う。

「土木業者の方々の中には、自分たちの業種や業務内容にはドローンなどのICT導入が無関係だと考えている方も大勢います。その大きな理由のひとつは、周囲の同業者が採用していないことではないかと思います。そこは逆に、ほかがやっていないから自分たちで試してみようという感覚を持っていないと、業者の中で一歩抜け出すことはできないと思います」

また、i-Constructionが話題になってからも、特に民間では、発注者側からICT施工が特に求められないことが多いということも、導入の遅れの原因になっているという。発注者の間では『ICT施工は高価だ』というイメージがある上、これまで、従来の方法でできていたものを、わざわざコストをかけてi-Construction仕様にする必要がないのではないかと考えるクライアントがほとんどなのだそうだ。そのため、発注者側の理解を促進していくことも必要だ。

「私の場合は、ICT施工はこんなに正確で楽な方法で、現場がスマートになるということ、そして現場でいかに安全対策を講じているかを含めて、実際に見てもらうようにしています。何回か見ていただいているうちに、その良さや安全性をわかってくれるケースが多いですね。ドローンでの施工を認めてもらえなかったときも、部分的でもいいから運用させてもらえないか相談をすることもあります。そうやって実際の現場を見てもらい、理解を深めてもらうことも大切です」

そのような努力の積み重ねで、最近ではドローンを使った施工を依頼されることが増えてきた。

「一度ドローンを使ってやってみた発注元は、次も必ず『ICT施工でお願いします』と言ってくれます。これがわれわれが築いてきた実績なのだと思います」

最後にドローン導入の第一歩を踏み出すためのアドバイスを聞いてみた。

「ネット上の情報なども役には立つと思うのですが、やはり実際の現場を見てもらうのが一番分かりやすいと思います。ただ、受け身でいるだけでは、なかなか現場を見る機会というのは巡ってきません。近隣の同業の方や、周辺の業界などで、すでにドローンを導入している企業などから情報を集めたりするといいと思います。百聞は一見にしかずです」

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発注者に対しても、ICT施工導入のメリットをきちんと説明する必要があると語る森田潤一郎 代表取締役。ドローンの運用については、実際に現場を見てもらうのが最もわかりやすいという点を強調する。

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Tags: 土木・測量, メンテナンス

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