地球は本当に丸いのでしょうか?答えは一目瞭然のようですが、実際には思ったほど単純ではありません。完全な球体として分類されるためには、物体は完全に円形で対称であり、どの方向から真ん中で切っても、2つの断面が等しくなる必要があります。不規則な形であり、高地や海溝がある地球は、まったく球体とは言えません。
それでは、地球はどの形に分類され、その分類は測量作業にどのように影響するのでしょうか?この質問に答えるには、ジオイドと楕円体の違いを理解する必要があります。これらは、地球の不完全性に対処するために設計された2つのモデリング方法です。
楕円体とは
楕円体は、一言で言えば不完全な球体です。その名前は、円に似た変形を表す「楕円」という言葉に由来します。
球体とは異なり、楕円体では幅と高さは同じである必要はありません。ただし、断面は楕円または円である必要があります。ブリタニカ百科事典によれば、この定義は、形の中心で交差する3つの軸半径を考慮に入れた次の数式によって説明されます。
x2/a2 + y2/b2 + z2/c2 = 1
a、b、cがすべて等しい場合、形は球体です。3つの値のうち2つが等しい場合、形は回転楕円体になります。形の断面が楕円になるため、回転楕円面と呼ばれることもあります。回転楕円体は2種類に分類されます。回転楕円体の2つの等しい値が3番目の値よりも大きい場合、形は扁平回転楕円体です。一方、回転楕円体の1つの値が2つの等しい値よりも大きい場合、形は扁長回転楕円体です。
楕円体と地球の形
科学者や数学者は、楕円体モデルを使用して、地球や他の惑星の形をより正確に定義します。大学NAVSTARコンソーシアム(UNAVCO)によると、惑星の近似となる楕円体は準拠楕円体と呼ばれています。地球をモデリングするために使用される準拠楕円体は、地球楕円体と呼ばれています。
地球は衛星写真では完全な球体のように見えるかもしれませんが、これは事実ではありません。代わりに、地球は赤道に近づくほど広くなり、各極に近づくほど平らになります。つまり、1つの軸が短くなっています。言い換えれば、地球は扁平回転楕円体の近似です。地球楕円体は、完全な球体ではありませんが、GPS座標や飛行経路のプロットなど、多くの用途があります。ジオイドモデルのデータと共に使用されて、測量作業にも不可欠です。
ジオイドとは
地球を球体ではなく楕円体と考えると、確かに地球の形をより正確に理解できますが、まだ課題点が多く残ります。楕円体の形は完全に滑らかで、地形を考慮に入れていません。これが、準拠楕円体が通常、地球の「最良の近似」と呼ばれる理由です。より正確に地球の形を把握するには、ジオイドモデルを使用する必要があります。
ジオイドモデルでは、平均海面と呼ばれる測定値を使用して、地表の標高がどのように変化するかをより完全に表現します。平均海面は、海水が静穏である状態、つまり潮汐や海流がない状態での海面の標高です。NOAAによると、平均海面がジオイドモデルに使用されるのは、海水が地球の引力に影響されるためです。重力が強く、平均海面が高い場所は、地表下の質量が大きいことを示します。同様に、平均海面が低い場所は、海底の標高が低いことを示します。米国地質調査所によると、これらの測定値をマッピングすると、通常、海と陸地の両方で緩やかな起伏が生じます。
特に、地球楕円体モデリングが包括的に実施されるのに対して、ジオイドモデリングは通常、局所的に実施されます。たとえば、米国では現在、1988年北米測地基準系であるNAVD88が使用されています。ただし、米国国立測地局(NGS)は、GPSデータを利用する最新のモデルに取り組んでいます。何年にもわたって、NGSは検討対象となるいくつかの実験的およびハイブリッドジオイドモデルも作成してきました。
楕円体モデルとジオイドモデルの違いによる測量への影響
測量士は、現場全体で一貫して測定される正確なデータを使用する必要があります。地球の全体的な形が1か所の測量現場に与える影響は比較的小さいように感じるかもしれませんが、ジオイドモデルから得られるデータは不可欠です。
特に、楕円体モデルとジオイドモデルは現場の垂直データムを決定するために使用されます。地上画素寸法などの計算値と共に、垂直データムは空撮測量や一般的な測量にとって最も重要です。この測定単位は、作業現場の標高のゼロ点、つまり地形をマッピングする基準点を表します。
測量は通常、ジオイドモデルに基づいて計算される測地データムに基づいて行われますが、実際には2種類の垂直データムがあります。もう1つは潮汐データムであり、一定期間の海面の変化を測定することで計算されます。ほとんどの測量は陸上で行われるため、通常この形式の測定値は適用されません。
垂直データムを使用したデータの一貫性維持
測量作業全体での精度の維持で重要なのは、確実にプロジェクト全体で一貫して同じ垂直データムを使用することです。つまり、現場で異なるデータムに基づいているすべてのデータを一貫するように変換する必要があります。幸いこの変換は、ジオイドモデルと楕円体モデルの両方からの情報を使用する簡単な式で可能です。
楕円体高 - ジオイド高 = 正標高
楕円体高は、地球楕円体と、地表で選択した座標との差です。GPS座標は楕円体モデルに基づいているため、GPS受信機を使用している場合は、この数値を求めるために追加の計算は必要ありません。一方、ジオイド高は、参照しているジオイドモデル(NAVD88など)と地球楕円体とのオフセット値です。
これらの数値を上記の数式に代入した結果が正標高です。正標高はすべてのデータで一貫している必要があります。
正しいドローンとペイロードで正確な測定を
楕円体モデルとジオイドモデルを使用してセンチメートル単位の精度を確保する方法を理解したところで、次は、測量作業を完了できる機材にアップグレードしましょう。その機材とは、他でもないMatrice 300 RTKです。このドローンは、バッテリー駆動時間が長く、目的の現場まで高速に飛行します。一度に3つのペイロードを取り付けられるため、最小限の飛行回数でデータを簡単に収集することもできます。
DJIでは、写真測量とLiDARマッピングのどちらを行うお客様にもぴったりのペイロードをご用意しています。Zenmuse P1は写真測量用カメラのフラッグシップ製品で、低ノイズ、高感度の45 MPフルサイズセンサーを搭載し、24/35/50 mmの単焦点レンズが交換可能です。優れたデータ品質管理と相まって、写真測量のあらゆる細部にまで対処できるようになります。
LiDARが必要な測量では、Zenmuse L1をお勧めします。このペイロードは、手頃な価格でありながら精度の高いIMUを備え、さらには密集した枝葉も透過できるので、あらゆる地形の測量に問題なく対応できます。どちらのカメラも、マッピングソフトウェアであるDJI Terraと簡単に統合できるように設計されています。
出典:
https://www.unavco.org/education/resources/tutorials-and-handouts/tutorials/elevation-and-geoid.html
https://www.propelleraero.com/blog/geoids-vs-ellipsoids-whats-the-difference/
https://www.britannica.com/science/ellipsoid
https://oceanservice.noaa.gov/facts/geoid.html
https://geodesy.noaa.gov/datums/newdatums/index.shtml
https://www.gpsworld.com/a-look-at-ngs-experimental-and-hybrid-geoid-models/
https://www.vims.edu/research/units/labgroups/tc_tutorial/tide_datum.php