ドローン測量に関する必要知識

ドローンによる写真測量、精度と成果物、ワークフローをご紹介

By DJI Enterprise DJI Enterprise
5月 28, 2021

ドローンはパワフルな商用ツールであると同時に、業務の効率と安全性を劇的に向上し続けてきました。測量とマッピング(地図作成)の業界も例外ではありません。

上空からデータを撮影できることから、ドローンは測量ワークフローの一部となり、土地測量、写真測量、3Dマッピング、地形測量などに活用されています。


手持ちのツールの幅を広げたいベテラン測量士の方、ドローンの様々な活用法を知りたいドローン愛好家の方、またはドローン測量というドローンの画期的な用途に興味がある方のために、本記事では、ドローン測量を始めるにあたり、知っておくべきことをお伝えします。

DJI P4 RTK航空測量用ドローンのPhantom 4 RTK

ドローン測量とは何ですか?

測量とは、2次元空間および3次元空間における点の位置、またはそれらの間の距離を測定する精密な科学です。

建設現場のプランニング、インフラの設計および保持、地積測量図の作成など様々な分野において、測量は重要な情報を提供し、その結果、それを基にした意思決定を可能にします。

ドローン測量とは、ドローンを使って空中から行う測量のことを言います。

Drone photogrammetry flight planningドローンによる写真測量

ドローンによる測量は、従来の手法に比べて、なぜ優れているのですか?

無人航空機(UAV)が優れている点は、人がアクセスすることのできない見晴らしの良い場所から、高速でデータを収集できる点です。

ドローンがあれば、険しい地形や、人が容易に近づけない危険な場所での測量の際、実際に人が立ち入って計測する必要はありません。

さらに、従来の測量では綿密な計測、準備、プランニングが要求されるのに対し、ドローンはそれに匹敵するデータを劇的に短い時間で撮影することができます。たとえば、オーストリアの大手建設会社であるSTRABAGは、ドローンを使用することで測量時のGCP(地上基準点)のセットアップ時間を75%短縮できると推定しています。STRABAGでの効率向上についての詳細はこちらをご覧ください。

つまり、ドローン測量は、素早く、有効に、かつ安全に高品質な結果を取得できるのです。

ドローン測量では、どのような成果を得ることができますか?

ドローン測量では、選択するデータセンサーと測量ソフトウェアに応じて、様々な成果物を得ることができ、多くの業界で利用されています。2D Orthomosaic Map測量ソフトウェアを使用し、ドローンが撮影した数百枚、数千枚のデジタル写真を合成し、高品質な2Dオルソモザイクマップを生成3D Orthomosaic Map測量対象地を撮影した大量のデジタル写真から3Dオルソモザイク マップを作成し、実用的な地形データを提供

3D Model測量対象地内のターゲットの3Dモデルを作成し、BIMで簡単に比較

Thermalサーマルカメラで測量し、異常な熱特性を示すターゲットを素早く特定

LiDARドローンにLiDARカメラを装着し、高密度な点群データを生成。ドローンLiDARの詳細はこちら

Multispectral可視スペクトルの範囲を超えたマルチスペクトル データを取得して、農業と作物管理に関わる情報を提供

ドローンとBIM

建設およびプロジェクト管理においては、ドローン測量により、BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)と連携する重要なデータを得ることができます。

建設手順の工程ごとに、高解像度3D写真測量モデルまたはレーザーモデルをドローンで撮影し、事前に計画されたBIMオブジェクトに重ね合わせて比較できます。そうすることで、計画内データと実際のデータ間で生じている不一致を見つけることができます。

BIM BIMモデルを3Dオルソモザイクマップに重ね合わせる

 

このような問題を早期に発見することで、建設のミス、抜け、やり直しを減らすことができます。また、このようなプロジェクトの確認が可能なことから、今やドローンは現代の建設業になくてはならないものになっています。

ドローン測量はどのくらい正確ですか?

ドローンをワークフローに導入する前に、多くの測量士が航空測量の精度を気にされます。ドローン測量技術では、どの程度の精度を達成できるのでしょうか。

測量ドローンソリューションでは、プロジェクトで求められる要件に応じて、様々なレベルの精度で測量を行えます。

DroneDeployによる独自の調査によれば、DJI Phantom 4 RTKの相対垂直精度は2cm、相対水平精度は1.20cmを達成しました。

作物の生育状況や建設作業の進捗状況をチェックするなどの用途では、高い相対精度があれば十分です。高い絶対精度も要求される他の業務向けには、RTK(リアルタイム キネマティック)およびPPK(後処理キネマティック)機能を備えたドローンがあります。少数のGCPと組み合わせて使用することで、求められる測量レベルの精度を達成できます。

一般的なドローン測量のワークフローはどのようなものですか?

 

ここでは、ドローンが一般的に測量ワークフローにどのように組み込まれているかを図示しています。ドローンのソリューションやドローンを使ったワークフローによって、提供できる精度は異なります。測量用ドローンを選択する際には、お客様の要望、顧客の要望、そしてスピードと精度のトレードオフを認識することが重要です。

Aerial Mapping Workflows JP現場

Aerial Mapping Workflows JPデータ

 

DJIのドローン測量ソリューション

 

ドローンがもたらすあらゆるメリットと、測量用ドローンの選択肢の多さを踏まえると、測量に最も適したドローンはどれなのか、という疑問が湧いていきます。

その答えは、最終的にあなたの優先順位により決まります。測量精度要件、データセンサー、コストをすべて考慮しなければなりません。最適なUAV測量およびマッピングソリューションの詳細についてはこちらをクリックしてください。

お読みいただき、ありがとうございました。

この記事により、ドローンで広がる測量の可能性を実感いただけることを願っています。測量士がドローンを活用すれば、スピード、安全性、費用対効果において、さらなる改善を図ることができます。ドローンを測量ツールキットの一つとして考える測量士の方が増え続けているのも不思議ではありません。 

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・マッピングにドローンを活用するメリットについては、DJIにお問い合わせください。

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Tags: 土木・測量

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